花の色と青い煙草

ダンス・ステップ・スラップスティック

過去作を焚き上げます。

 

ヘイ、ダディ。

こんなのは聞いていなかったぜ。

ずっと憎んでいたなにかは今鏡の中に住んでいる。分からなかったこと、分かりたくなかったことを一つ一つ掴んでは、逆に掴んでいたものをどこかへとなくす。ミイラ取りはとっくに干からびちまったらしいな、あれも仕方の無いことだって言うのかよ。まあ、そうなんだろうな。これから干からびる人生をちったあ肯定したい、そうだろうよ。

それでも豊かさのためにまた小さなロウソクを点ける、熾した火で煙草を吸う。なあ革命は出来たか?まだ夜は忙しいか?それともささやかな生活を愛せそうか?

降り注ぐ雨は一軒家くらいなら軽く飲み干せるほどの水溜りを作り、東京は大きな鏡になって向こうの景色を映し出している。君はそう言っていた。砂漠とどっちがいいんだろうな、どちらも同じことだって気づいた頃には手遅れだったよ。

どうすればよかったと思う!海にしても砂漠にしても道標はあの星々、届くと思っていたんだ。たとえ掴んだらつちくれだったとしても、暮らせると思っていたんだ。