花の色と青い煙草

ダンス・ステップ・スラップスティック

2015-01-01から1年間の記事一覧

私の中で死にゆくあなたを誰も止められなかった。

好きな人に会うときに雨が降るに違いないと言えていたのに、そのうち会うときに雨が降らなかったらどうしよう、という恐れを抱くようになり、雨が降らなかったことになにも思わなくなったらどうしよう、と。最後に忘れるのか、どうか。私がいつかいなくなっ…

淡桃去って緑。

場違いの雪と桜に写真機。散って春、茂って春。さて数日前。春の桜、なぜか雪化粧をして佇んでいたと聞きます。淡いあの色彩に重ねた無彩色が見せてくれた端麗な姿を私自身は見ることが出来ないでいましたけれど、切り取られたそれを見る機会には恵まれてい…

境界線に触れて識るあなたの輪郭。

実は自分から人に触れられない病を抱えて生きている。その病はどんな関係性を相手にしても表れてしまうしキスはおろか肩に触れることすら戸惑う。握手やハグ以上はどうしても気を遣ってしまうし、触れていいか聞くだけでも戸惑ってしまうのであった。昔は経…

報われようぜ。

報われようぜって叫びたいのよ、いろいろあったりするし、悲しかったり嬉しかったりいろいろあるけれど、報われてもいいんじゃないかなって。訳もわからないまま最初の一年みたいなものを通りすぎて、最後にこの曲が残って、報われようぜって歌ってる。いろ…

大人の住処。

夜にしか生きることができなくなってるのかもしれない。地元に鳴り響く寺の鐘で夕方と知り、急いで家に帰る。あの頃の私にとって暮れ行く空はその日の終わりを意味してた、ように覚えてる。それはありふれた日常だった。そんな日常からは遠く、今。夜が当た…

在る朝日。

旅をしていた時の話。私はある人に会った。名前も、仕事も、何も知らないその場限りの出会い。その出会いは偶然が生んだもので、再現なんて出来ないもの、けれどとても大切に思っている。彼はこんな話を初対面の私に続けてくれた。「みんな何かをするたびに…

鏡写しの会話。

誰かと喋っていて、正しく人と会話できているのだろうか、と不安になることがある。正しい会話、というものがそもそもとても怪しいものではあるのだけれど。誰かと会話するってことはここに私がいて、あなたがいて、私はあなたに喋って、あなたは私に喋るこ…

恩師の話。

私がまだ学生で、世界の全てはこの手の中にあったと驕り高ぶっていたころのお話をしましょう。当時、私は美術系の学校にいて、学生をしていた。まだ17か、その辺りだった。当時の学科長と話していて、なぜそんな話になったのかは思い出せない。ざっくばらん…

真冬の怪物。

その獣、4つのあしを持ち、身体全てを口とし、夜な夜な通り過ぎる人を誘い込み、咥え、そして離さなかったという。民はその怪物を畏れていたがあるものがついにその怪物を倒し、村の中心にその怪物を象った偶像を飾り、墓と祭壇とした。やがてその祭壇は怪…

真冬のピークが去った。

クリスマスだとか正月だとか、少し浮かれた年末が過ぎ、成人式なんかも通り過ぎていったらしい。そうカレンダーが示してた。それでもいまだに街は冬から抜け出さないままで続いていた。そういえば引っ越してからは夕方の鐘を聴かない。なんとなしに、去年と…

人と人ってなんだろうね。

Twitterでポリアモリーについてボソッと呟いたら「理解できない」って言われた。だからすこし言葉を尽くそうとしてみたら遊び人と片付けられた、ことについて、すこし寂しくなってしまった。人の好意って恋愛感情しかないような貧しいものだっけ、とか考えて…

ミラールーム。

いろいろな話をしたり、いろいろな人と話していて、最近ふと感じることがある。それは言葉の端々から零れ落ちるような、主観であったり、他者についてなのだけれど。たとえばそれは誰がが言ったことを聞いて、返すための言葉を濁し、溢れさせまいとする、そ…

戯けた時間。

深夜というものはどうして、その中に踏み込んだ人をどこまでも尖らせてゆく。時にそれは悲しくさせたり、時にそれはどこまでも愉快だったりする。すごくセンチメンタルな詩を書き残してしまったり、なんとなしに最高の絵が描けた気になったりする。どちらに…