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誰かがいった。

そうじゃなくて私が言った日常の何か。

相互不理解のまま生きてゆく。

小学生のころ読んだお話をもう一度、マンガ版ではあるのだけれど読み直す機会があった。

当時、おおきなポケットとか読みながら触れたこの作品。

懐かしさとともに、あの頃と全く違う世界が見えていた。

 

あらしのよるに

 

お互いが不理解や、別の生き物であることなどを抱えたまま生きること。

 

ディスコミュニケーション

 

そんなものを抱えて生きる今になって、なんとなく、そういう話だったんだろうなといろいろなことについて思いをはせることになった。

このシリーズの中で最も好きなシーンをあげるのは難しいけれど、一つ浮かべるとするなら、それはガブの食事にメイが嫌悪感を示すあの瞬間だろうなと思っている。

 

関係性の前に個人があり、そこは譲歩などすることもある。

ガブは山羊を食べなくなった。

けれど、やはり、生きるために食べることはやめない。ふと、そこで餌を食べることを選べなくなったこととかを思い出してしまったんだ、いや、餌を食べるために相手を切り捨てるしかなくなったことも。

ここでの餌は、趣味でも興味でも何でもいい、そういったものに読み替えられるように思った。私は生きるために、私であるために、いろいろなものを選ぶ。あなたが嫌うそれを喜んで欲することだっていくらでもありふれていて、逆もそうなんだろう。

それを辞めなくてもいいはずだし、辞めさせることもできないはずなんだ。

それが当たり前に提示されていた、いや、もうすこし肯定してほしくはあったのだけれど。

 

同じものを食べ同じように暮らす生き物にならなくとも繋がることができる話、というか。

 

 

 

追伸。この話は恋の物語ではない、という解釈がとても好きですし、性別も与えられずに話が続いていく読み方が、なんだか暖かかったです。

 

あらしのよるに全7巻セット (あらしのよるにシリーズ)

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