花の色と青い煙草

ダンス・ステップ・スラップスティック

私の中で死にゆくあなたを誰も止められなかった。

好きな人に会うときに雨が降るに違いないと言えていたのに、そのうち会うときに雨が降らなかったらどうしよう、という恐れを抱くようになり、雨が降らなかったことになにも思わなくなったらどうしよう、と。

最後に忘れるのか、どうか。

私がいつかいなくなってもあなたが少し悲しいだけで時は進むだろうし、居なくなることを選ぶ訳ではないけれど、いつの間にかなくなる水溜まりのように、気付いたら雨は枯れるのかもしれない。

時を置けばそうなるのかもしれない。


その時、私の中に住んでいたあなたは死んでしまう。

その時、あなたの中に住んでいた私は死んでしまう。


忘れてしまえば、人は死んでしまう。

関係性の中にいてやっと心というものは生きる、ということがどういうことか分かり始めた気がする。


そういえば私はいろいろな人に出会ったり別れたりするけれど、なぜか3ヶ月くらいで元の距離かそれ以上に離れることが多いなと思う。

 人と人が出逢えるのはめぐりめぐりゆく生き様の交点で、同じ幅で歩かない限り長くは過ごせないと昔書いた気がするけれど、多分その交点がその長さなのだろうか?

そこから離れたら、互いに強く残るものが何かに出会わせなければ死んでしまう。


私は私を生きようとして離れ、あなたはあなたを生きようと離れる。

死ぬことを止められはしないのだ、それが生きることなら。


寂しいことには変わりないのでどうにか居てください。