誰かがいった。

そうじゃなくて私が言った日常の何か。

大きな忘れ物。

さいきん生まれてはじめてボルダリングをやってみた。
身体を伸ばし、つかむ。脚を動かす。登る。
何度も繰り返し落ちるうちに、手が伸びること、脚が伸びることに気付く。
そして手が届くようになる、足が届くようになる。
私は気付く、身体を失っていた。

私の身体はどうやら大きいらしい。
だから時にはその事が人にネガティブな感情をもたらすこともあるかもしれない。それを忘れかけていて、小さい身体であるように振る舞っていた。
けれど身体を動かしている間に、自分の身体の大きさを全身の感覚で思い出せたのであった。

となると今度はこんなに身体が大きいのに、どうやって柔らかく過ごそうかと悩み始めたりする。
そうして、また身体を失って考える生き物になる。
私はその間をぐるぐる回ることしかできないのかもしれないな。