誰かがいった。

そうじゃなくて私が言った日常の何か。

真冬のピークが去った。

クリスマスだとか正月だとか、少し浮かれた年末が過ぎ、成人式なんかも通り過ぎていったらしい。そうカレンダーが示してた。
それでもいまだに街は冬から抜け出さないままで続いていた。

そういえば引っ越してからは夕方の鐘を聴かない。

なんとなしに、去年と比べてしまって、違うことに少し寂しくなった。




なんだかよくばりだなって気付くんだ、満たされることの敷居ばかり高くなって幸せを取りこぼしそうになる。
変わらないでいるって言ったのに、変わってしまうらしい。どうも不器用だな。だから度々、きちんと掴んでいたいと思うのだけれど。

そんなとき、掴み直すための書架があれば、とまで言いかけてハッとした。

私たちには音楽があった。

聴いた音、声、そんなもの自分の感情を重ねて再生できたんだ。

再生ボタンに手をかけて、よみがえれ、心。